U.S.投資家からの資金調達
大企業から中小企業まで、
アメリカにおいて証券取引法に従うことはどれほど大事なことなの
300,000,000ドルの失敗
今月、
BlackRockは一体どんな間違えを犯してしまったのだろう
重要なルール:登録するか例外を探すこと
1933年証券法(連邦法)では、全ての有価証券の勧誘/募集な
連邦証券取引法のもとでは、非登録且つ登録免除の適用がない有価
米国証券取引法の一般的な登録の免除
米国での証券発行にかかる登録は、特に日本と比べ、
連邦レベルでの一般的な証券登録の免除規定は下記の通り:
- レギュレーションD(Regulation D): スタートアップやベンチャー企業の資金調達の際に非常に良く使われる免除規定。一定数の適格投資家もしくは一定の金額の範囲内に限定された(かつその他の要件を満たした)募集について規定している。2013年の改定によって、一部のケースについては公募でもレギュレーションDを適用できるようになった。
- セクション4(a)(2)(Section 4(a)(2)): 1933年証券法のセクション4(a)(2)(単に”4(2)”と言われることもある)。”公募”ではない全ての募集および販売に関する一般的な免除規定。但し、”公募”の定義は非常に広く、例えばフェイスブックに近々予定される資金調達についての投稿を載せた場合、その募集は”私募”から”公募”に変わりうるので、企業は募集に関するコミュニケーションについては注意する必要がある。
- レギュレーションS(Regulation S): 米国外での証券の募集・販売に関する登録免除規定。米国外の投資家への証券販売は、ある一定の要件を満たせば登録義務が免除される。米国の企業が日本の投資家に証券を販売する場合などはこの規定が適用されうる。
- ルール144A(Rule 144A): 適格機関投資家向けの証券販売に関する登録免除規定。発行体が機関投資家向けに証券を販売する大規模な資金調達の際に用いられることが多い。
- レギュレーションA+(Regulation A+) 2015年に新しく改定された、小規模な公募に関する登録免除を定めた規定。米証券取引委員会が意図したような形で企業が免除規定を利用するかどうか注目されている。
レギュレーションDと4(a)(2)に基づく募集の州レベルでの登録
レギュレーションDのルール506に基づき発行された証券は”カバード証券”(covered securities)と呼ばれ、連邦レベルでの登録免除が州法のもとでも適用される。もっとも、多くの州は個別の通知届出書の提出を要件としており、適切な期間内に届出書が提出されなければ買い手に対する勧誘や販売は合法とならない。
セクション4(a)(2)に基づいた(かつレギュレーションDには基づかない)私募の場合、証券は”カバード証券”ではないため連邦レベルでの登録免除の適用は自動的に州レベルにも適用されるわけではない。従って、証券が勧誘もしくは販売される個々の州ごとに法律を注意深く読み込み、州レベルの登録免除が適用されるか、また要求されている届け出は全て提出しているか等を確認しなければならない。
失敗の修正
グッドニュースとしては、過去に登録義務の免除なしに誤って非登録証券を売ってしまった会社でも、有能な弁護士であれば会社の財政的負担を減らし過去の過ちを正す手助けをする方法を持っていることだ。アメリカの証券やM&Aに関わる弁護士はこの手の問題に対処する経験を積んでいる。
もっとも、最初から正しい方法をとっていればよりリスクや損失を抑えられるのは確かだ。上記のBlackRockの例がそうだろう。よって、もしあなたがアメリカの投資家から資金調達しようと決断したならば、証券取引法のルールを守ることを忘れず、早い段階から経験豊富なアメリカ弁護士に相談することをおすすめする。
次回のブログ投稿は、アメリカでスタードアップやベンチャー企業に最も多く使われている登録免除を定めた規定であるレギュレーションDについてより詳しくみていこうと思う。
モンローシェリダン・リード
外国法事務弁護士(米国ニューヨーク州)
慶應義塾大学 法科大学院 特任講師
info@monroe-legal.com
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